日常的にやってしまっているかもしれない「シャドーIT」…。本当に大丈夫?<後編>

「自分のスマホで業務データを管理している。」、「メールでは面倒くさいので一般向けチャットサービスで同僚と連絡をする。」、「残業を家でやりたいので私用のクラウドやメールに業務ファイルを移動する、」――会社員として働いている人なら多かれ少なかれ、このような場面に直面したことがあるだろう。しかし、この行動は悪意の有無に関わらず、「シャドーIT」と呼ばれる行為に分類される。今回はシャドーITの本当の原因、そして解決策を紹介する。

前編はこちら>

シャドーITの本当の原因は会社自体!?

前編で紹介した「シャドーIT」。悪意がない場合でも会社に大損害を与えてしまう可能性があり、企業としては何としても防ぎたいと感じるだろう。このシャドーITの本当の原因と何なのだろうか。筆者はあえて、「会社」自体に原因があると指摘したい。連合系のシンクタンク、「連合総研」が2017年に調査した「勤労者と仕事の暮らしについてのアンケート調査」によると、勤務時間以外の時間や休日に行った業務・作業に ついて、<ある>と回答した割合は、「メール・電話・ SNSの対応」が 46.8%、「呼び出しを受けて出勤」 が 28.5%、「持ち帰り残業」が 30.9%であった。 正社員だけに絞ると54.5%がメール等での対応を行い、40.4%が持ち帰り残業をしていることがわかる。

※出典:「勤労者と仕事の暮らしについてのアンケート調査」(連合総研)

昨今、働き方改革が叫ばれ、長時間労働の規制や、「ノー残業デー」に代表される残業を減らす動きが各企業で活発になっている。ここで筆者が指摘したいのは、労働時間を減らすことばかりに囚われてしまうと、実質的なタスクの量は変わらず、上記のデータの様な事態を引き起こしてしまうことである。労働可能時間は減るが、タスク量がそのままでは何かしらの方法でその時間を捻出する必要があることは想像に容易いだろう。勿論、シャドーITは働き方改革による実勤務時間の低下だけが原因ではない。会社のため、利益のためを思い、どうにかして効率をアップしようとした結果、データを持ち帰ったり、私用スマホで業務連絡を行ったりしてしまうのである。どちらの場合にも共通して言えるのは「現状の会社のIT環境では満足に仕事が出来ない。」という事だと筆者は考える。

シャドーITの解決策ービジネスチャットの可能性

では、シャドーITを解決するためにはどうしたら良いのだろうか。データ等を管理するクラウドシステムに個人向けのサービスを使用しているような場合には、全社的に法人向けのクラウドサービスを導入する事が解決策の1つとして考えられる。法人向けサービスは多段階認証などセキュリティ面でも安心だ。また、私用スマホでの個人向けチャットサービスの業務連絡利用(前編で紹介)を解決するためには法人向けのビジネスチャットをお勧めする。現代の労働人口の中にはいわゆる「スマホ世代」と呼ばれる年代の社員も増加傾向にあり、日々の連絡はもはやチャットなしには考えられないと言っても過言ではない。ビジネスチャットのメリットはその「使いやすさ」にある。普段から慣れ親しんでいるチャットという環境、プロジェクトやチームごとに作ることができるグループ機能、画像を送ったり、既読を確認したりすることも可能である。タイムリーな連絡が可能になり、全社的な効率アップが見込めるのである。

まとめ

シャドーITの原因は「現状の会社のIT環境では満足に仕事が出来ない。」という状況だと述べたが、シャドーITの行為自体を防ぐことは非常に難しい。全員のスマホをチェックする事は現実味がないし、仮に禁止したとしても、「会社のためを思った行動なのに」、「これでは仕事の期限に間に合わない」といった不満が出てくる可能性もあるだろう。シャドーITは企業の情報を漏えいさせる可能性があるものだが、裏を返せば社員が望んでいるIT環境を表しているとも言える。もしシャドーITが見受けられた場合はその社員に話を聞き、望んでいるものを確かめることが必要なのではないか。「禁止」は簡単だが組織の成長は促さない。シャドーITは「防ぐ」事だけを考えるのではなく、会社が「変わる」事の重要性も今一度、目を向ける必要があるだろう。