女性総活躍社会の最重要事項!リモートワークを推進せよ。

女性の社会進出が当たり前となって久しく、昔とは比較にならないほど女性が活躍できる環境が整ってきた。一方、日本の旧来企業では女性の離職による影響も大きくなっており、課題となっている。離職の理由は様々であるものの結婚や出産、子育てなどのライフイベントとオフィスで働くことを前提とする旧来型環境での業務両立が難しく、離職せざるを得なくなることが多いこともまた事実だ。女性のライフイベントでの離職は働きたいと望む当人が働けなくなるばかりか、企業にとっても貴重な戦力を失うことによる生産性の減少、新たに人材を採用するコスト増加につながり、双方にとって不幸な出来事といえる。

しかし、これらの課題の多くは日常業務において「リモートワーク」を推進し、環境を整備することで多分に問題を解決できると考える。時間や場所を選ばない「働き方」を企業が認め、その働き方を社員が実行することで、各社員のライフイベントに合わせた多様な働き方ができるようになり、企業にも人材が定着し、女性が今以上に活躍できる社会の実現が可能になる。

時間や場所を選ばないリモートワークとは?

今更説明も必要ないかもしれないが「リモートワーク」とは、社員が会社に出社することなく、好きな場所や時間に業務を行うことが可能な働き方を指している。政府による働き方改革の一環であり、「社員評価の尺度を時間から、遂行業務の内容に置き換える」ことでライフスタイルに合わせた働き方を実現し、労働力の維持を可能にするばかりでなく、今まで主婦でいた優秀な人材の発掘など潜在的な労働力を確保することが期待されている。

一方、多くの企業が導入済みのフレックスタイム制度は労使協定に基づき、社員自身が始業時刻と終業時刻を原則として自由に決めることができるようにするもの。一見するとリモートワークと同等だと考えられるが、ほとんどの日本企業では出社を前提とするコアタイムが設定されており、そういう意味においてリモートワークはフレックスタイムをさらに柔軟に前進させたものだといえる。

女性のリモートワーク推進が急務な理由とは?

「なぜ今、女性によるリモートワークを推進する必要があるのか?」というと、日本の超高齢社会を前提とした(もちろん男性も含むが)女性の働きやすい環境づくりが急務であるためだ。

日本では、2025年には団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という未曾有の超・超高齢社会となる「2025年問題」を抱えている。そのため、旧来企業のように猛烈に働く男性だけを求める企業は存続ができなくなる現実が確実に訪れる。事実、生産年齢人口といわれる15〜65歳かつ男性のみ抽出してみると、1997年をピークに就労者数は減少し続けている。一方、男性による就労者数の減少をカバーしているのが女性と高齢者となっている。そのため企業にとって入社した優秀な社員を如何に手放さず、企業を持続的に成長してもらうための推進力とできるかということは、今後ますます重要な問題となる。事にこれからますます人材の確保が困難になる中堅企業以下、全ての企業では最重要課題の一つとなるであろう。

「リモートワーク」は、様々なライフイベントが控える女性や親の介護が必要になる社員を含め働き方の多様性を実現し、企業への定着率向上を可能にする手段になりえる仕組みだと考えている。

リモートワークを推進している企業

世界的にみると一般的とも言えるリモートワークだが、日本の大手企業でも推進をすすめる企業が増えてきているため、いくつかの企業事例を紹介したいと思う。大手企業が優秀な人材の確保に動く現状がある中、中堅企業などでは大手企業以上に社員定着のための施策が不可欠といえるだろう。

デンソー

2018年、自動車部品メーカーのデンソーは、自宅などでインターネットを使って仕事する「テレワーク」制度を拡充した。対象を人事や総務、設計や開発を含む「オフィス部門」の全社員約2万人に広げることで育児や介護、自己啓発と両立させながら柔軟な働き方が可能にした。制度の特長として、子どもの看護や家族の介護などと関係なく、取得のための理由や資格が不要という点がある。

中部電力

同じく2018年、インフラ企業の中部電力は自宅など社外で作業する「テレワーク」の対象を10月から出向者を除く、全従業員に拡大。業務用パソコンの社外持ち出しの制限を解除し、遠隔地でも社内と同じ作業ができるようにする。働き方改革の一環で、出張中の移動時間などの有効活用にもつなげることを目的としている。

愛知県(県庁)

2019年、愛媛県は自宅や出先機関のサテライトオフィス、出張の移動時間など、場所を選ばずに働ける「テレワーク」の運用を始めると発表。臨時職員等を除く全職員を対象とし、仕事と育児や介護の両立や、隙間時間の有効活用による業務効率化につなげることを目的としている。

リモートワークを可能にするビジネスチャット

リモートワークを推進していく上で重要なのがコミュニケーションだ。今までのように同じ職場にいない環境となるため、メールや電話だけのコミュニケーションではスピード感がなく、十分といえない場面もでてくるだろう。その際にやはり検討されるものとして、世界では社内コミュニケーションとして主流となっているビジネスチャットだろう。チャットというと日常で使われる一般向けサービスを想像されるかもしれないが、ビジネスチャットは業務に特化したコミュニケーションを実現するビジネス専門のチャットツールのことだ。現在では、チャット機能の他に、スケジュール管理やタスク管理など業務に必要な様々な機能を付加可能なサービスがあり、プライベートと仕事を分けるという意味でもこのビジネスチャットがリモートワーク推進に果たす役割が大きなものとなっている。

妊娠中の女性ワーカー × ビジネスチャットの事例

産前産後休暇、いわゆる産休については、現行の法律(労働基準法)において定められている。産前は出産予定日の約6週間前から休業として認められているわけだが、女性にとっては妊娠がわかった時から、出社することが身体的に難しい状況があるだろう。これは個人差によるもので、毎朝の満員電車通勤による負担や、季節的・生理的なものなど、企業として考慮すべきことは多くあると筆者は考えている。このような場合でも、リモートワークが認められている企業かつビジネスチャットが導入されていれば適時遠隔コミュニケーションをすることで、妊娠中の女性ワーカーの負担を軽減することができるだけでなく、社員のスキルを十分に活かした円滑な事業推進が可能となる。
例えば電話の場合だと、どうしてもピンポイントでのコミュニケーションツールとなってしまうため、妊婦にとって電話にでること自体も厳しい状況や都度電話へでることへの負担も大きなものになってしまう。またメールに関しては、形式的な文章を入力する必要があり、1通作成するのにかける時間を考えると、やはり負荷が大きいツールといえる。一方、ビジネスチャットは日常会話のように業務上のコミュニケーションを取ることができるため、「一言」「二言」で業務対応が済むケースも多くあるだけでなく、チャット自体が厳しい状況の場合は後でまとめて確認するといったメールのような対応も可能となり、リアルタイムと体調に合わせた対応の両方を実現することが可能となる。

なぜビジネスチャットを使う必要があるのか?

では、なぜ企業では日常で使われる一般向けチャットサービスではなく、ビジネスチャットを利用する必要があるのだろうか。前者は業務で利用する人も中にはいるだろうが、元々プライベートで利用するケースで想定・設計されているため、企業が持っている秘匿性の高い情報を誤って第三者へ流してしまう恐れがあるだけでなく、企業側が把握していない状況で従業員がIT活用を行う事で不測の自体にも繋がりかねない「シャドーIT」化を助長してしまう。そのためビジネスでのチャット利用は、情報管理・高セキュリティに特化したビジネス専用のチャットサービスを利用するべきだ。

最後にリモートワークを推進することは「女性の労働力確保」、「日本が抱える高齢社会への対応」、「働き方の多様性を認めることによる企業理念の偏重是正」、また「業務効率化」、「生産性向上」など、企業にとって多くのメリットが期待できる。このようにリモートワーク推進を含めた「働き方改革」への取り組みにより、質の高い労働力を確保・育成することは、令和という時代で成長し続ける新たなリーディングカンパニーになるための必要最低条件ではないかと筆者は考える。